ブーッ……ブーッ……。

いきなりバイブが鳴り出すケータイ。



「……くるみ??」

それはくるみからの電話だった。



「もしもし??」

「あっ森橋くん??」

「どうした??」

「……あのね、妃菜ちゃんが」

「アイツがどうした??」

「……妃菜ちゃんが、泣いてた」

「え??」

「……妃菜ちゃんの様子見に行ったら、妃菜ちゃんが泣いてた」

「そうか……」

「……妃菜ちゃんがあんなに泣いてたの、はじめて見た」

「え??」

「妃菜ちゃんは今まで……あたしの前で泣いたコトは、ほんとに一度もなかったから」