陽菜はすごい勢いでイケメンに
殴りかかろうとしていた。
バチンっ!!!

すごい音と共に
彼に見とれていた女子たちの声が廊下に響いた。

「っぶねぇー。残念でしたーオレに触んなよ、ペチャ子ちゃん」

イケメンは陽菜に、いたずらな笑みを見せた。

コイツー!!!!!

去っていこうとするイケメンに陽菜は動揺していた。
「まっ待っ…」

「ペチャ子」

イケメンが振り返ってこっちに歩いてきた。

「今オレがそのブスとぶつかったの、あんたのせいだろ??」

「まぁちゃんはブスじゃない!!!」

「質問に答えろ」

「……うちがまぁちゃんの手引いてた」

「だったらあんたに責任取ってもらうから」

…は?

状況についていけてない陽菜をよそに、
イケメンはまた意味深な笑みを浮かべてどこかに行ってしまった。


「なになになになにアイツ!!!!」

「まあまあ陽菜、落ち着こ??」

「アイツ絶対許さん!!!だいたいブスとペチャ子って…ありえへん!!!」

「それは確かに。けど、とりあえず並ばなあかん!!いこっ」

今度はまぁちゃんに手を引かれて
廊下を走った。