「わかった!!!うちのことは陽菜でいいからね。」

だから、りっちゃんとも
うまく付き合っていこうとこの時陽菜は思ってた。

なのに。


「ひなぁー??」

まぁちゃんの声で陽菜は我にかえった。

「ごめんごめんっ!!ぼーっとしてた」

「まぁちゃん、トイレいこー??」

「うんっ♪」


カラカラカラ…
トイレットペーパーを巻きながら
うちの耳は外に向いていた。

「みいたぁー???!E組の中谷くん!!!!超いけめんー!!!」

「みたみたっっ!!あんなイケメンいるとかっ学校超楽しみなってきた!!」

E組…ナカタニ???

それ、うちですが。(笑)

まさかっ!!
少女マンガ的な出逢いか??!これ!!
おんなじ名前のイケメンが…

きゃーっ


…て、んなアホなな。

トイレを済ませて外に出ると、
先生たちが教室の前に並ぶよう、
指示を出していた。

「まぁちゃん、急ごっ!!!」
まぁちゃんの手を引き、長い廊下を突っ走った。

ドンっっっ!!!

…?

「あっ…ごめんなさい…」

足元でまぁちゃんの声がした。

「ふざけんなブス!!!」

今度はすごい形相の…
すごいイケメンが
まぁちゃんを怒鳴りつけていた。

「ご…ごめんなさい…」
弱々しく謝るまぁちゃん。そんなまぁちゃんを見て
うちの怒りは最高潮になってしまった…

「ふざけんなはこっちのセリフやボケーーーっっ!!!」