高校1年、春…一

「まぁちゃん!!!うちら、クラス一緒やでっっ」

緊迫した場に、やたらデカい陽菜の声が響いた。

「ほんまに?!よかったぁ…」
こっちは麻子。
麻子とは小4から友達で、ずっと仲良くやってきた

つもりやったのに…
まさか、ここにきてこんなことになるなんて
思ってなかったね…

「早く教室いこっ♪」
「そやなっ♪」

ガラッ

ドアを開けると無数の視線…

教室はわりと静かだった。
きまずー…(笑)
荷物を席に置いて、まぁちゃんの席に向かおうとした
そのとき。

「はじめましてっ!!あたし、平岡凜っていいます。出席番号前後やしよろしくねっ」

ギョロ目のぽっちゃり女子が声をかけてきた。

なんか、イヤ…

っていきなり偏見はアカンか(笑)
そう思って、

「うちは中谷陽菜。よろしくね!!」

にこにこしながらそういってその場を離れようとした。

「まっ、待って!!」

「あたしのこと、りっちゃんって呼んでね!!陽菜ちゃん!!」

うざぁー…

始めから、ニガテだった。
うちは昔からウザい奴とは関わらない主義で
徹底的にいじめてきた…
最低な人間。

中学のときは先生に怒られてもいじめを続け
もはや問題児。

高校では、みんなと仲良くしよう…

陽菜はそう心に決めてきていた。