「えっ!あのっ、えっと」



「図星ね。仕方ないことなの。亡くなったら、どうしてもね。私はそれがいいことだと思うけど……」



あたしはお茶を飲んだ。



「私も大好きだった人を亡くしてね。そこを支えてくれたのが、今の夫。どうしてもね…もちろん、亡くなった人の事は今でも好きだけど。夫との好きは違うわ。私は、亡くなった彼との思い出が大好きなの。わかる?」




難しいけど、わかる。




「健人の事が大好きだった?」



「はい」



声が涙で震えた。




「愛していたわね」



「はい。本当に本当に大好きで・・・。別の人と付き合っても、健人先輩の事は、心の片隅に残ります」




「ありがとう。別の人を大好きでも、健人の事を忘れないで。そんなミチルちゃんでいて」




「はい。本当に、本当に大好きです。戻ってきてほしい」




「私もよ。でも、それはできない。あきらめるのは仕方ないこと。いいことなの。健人に報告して」