「部員集まった~?広報部部長さんっ。」


そうやって、うちの前に現れたのは

親友の絵美。斉藤 絵美【サイトウ エミ】



「絵美ー!!来てくれたんか~!」



そういって、うちはタックルでもするかのような勢いで絵美に抱きついた。





「…蘭 離れてちょうだい。キモい。」




真顔で言われると、それなりに怖いものだ。
これでも親友なのに…。


うちの親友は 毒舌だ。

けど、本当は優しい。いわゆる ツンデレってやつ?

そして、うちのまわりを取り巻く無責任のうちの一人だ。



「んぁー!そんなこと言うなよ~。」


「……部員は集まったの?なんか、余裕かましちゃってるけど。」


「余裕なんか、かましてないし。一応ちゃんと勧誘してるし。」




さっき断られて、内心ショックだったことは内緒ということにしておこう。




「そっか。もう、いっその事 イケメンとか入ってくれればいいのにね。」


「うん。うちも、出来れば そうなってほしい。」


「じゃあ、あたし行くね~。せいぜい頑張ってね~!…たぶん無理だろうけどっ!…ふっ。」




そう言って、絵美は


風のように現れて、風のように去って行った。


「ばいばい。素敵な毒をありがとう~。ふっ。てどゆことー??」



(チッ…。どいつもこいつも うちをいじめやがって。)


何も出てこないっつうの。