テントに戻ってとりあえず
次の指示が出るまで絵美や
クラスの友達と雑談をしていた。


と、そこへ


「広報部にお知らせします。渡したいものがあるので至急、本部テントまで来てください。」


佐久間丸先生の声がグラウンドに設置してあるスピーカーから校内に響いた。


「蘭、お呼び出しだよ~。渡したいものってなんだろうね?」

絵美がそんなことを言いながら
さっ、行ってらっしゃい。と
うちを送り出してくれる。



「よく分かんないけど…。とりあえず言って来る。」


そう言って、絵美と友達の居るテントから出た。



(あっ。そういえば葵君…。)


そう思ってまわりを見渡す。
が、葵君は
まるでうちから逃げるようにして
ちょっと先を走って行くところだった。



うぅ~。
なんか嫌な感じだ。


気まずいのは分かるけど…。


なんか、胸が痛むなぁ。
あれっ?
なんで、こんな気持ちになるんだろう?