「蘭ちゃん…照れんくていいんやで?」

気付けば隣に座ってうちの肩を抱いている葵君。


「照れてねぇよ。そんでもって、近い、暑い、むさ苦しい。」


男の子は、なんで夏に近づくにつれて


こうもむさ苦しくなるのだろう。



「ひっでぇな。俺はむさ苦しくないで?!」


まぁ…確かに匂いとかはしないけど


「むさ苦しいにもいろいろあって、葵君は冬でもむさ苦しい人なの!」


我ながら意味が分からない。


すると


「冬でもむさ苦しいってことは
それだけ、俺は情熱がある証拠なんやな!」



…ポジティブシンキングッッ!!


なんて前向きな姿勢なんだ!


葵君の周りだけ夢と希望で溢れかえってる感じ。

…もう、なにも言わないでおこう。