「でも、最近起きたら汗の量が半端じゃないんだよね。」


毎朝、お風呂上がりみたいに


びっしょびしょになってる。



「なんか怖い夢でも見たんじゃないん?」


なるほどね~…。


でも、その夢の内容は


まったく覚えていないのが不思議なのだ。


「まぁ、怖くなったらいつでも俺の胸に…」


「飛び込んだりなんか絶対しないからね~。」


誰がするかっつの。


だいたい、どっちが男前か分かんないような


人に言われたくない。



「…そんなこと言って~!この前は"この"俺の胸にしがみついてたやないか~。」

そう言いながら


ニタニタしている葵君。

「ニタニタしながら言わな~い。そして、あのうちはうちじゃない。」



いつまで言ってんだか。


あれはとっさの判断で


あんな状態なってしまっただけであって

なにも、うちの本意ではない。