「ほらほら。お世辞なんでしょうが。
もう、ほんとに口が達者だね~。」






「……………ゃない。」



葵君の口から小さな声が聞こえた。


蚊の鳴くような声ってやつ?




「ん~?何か言った?」


気になって聞き返しながら

記事を書いていた手を止め

顔をあげる。



「お世辞やない。俺は本気で言ったんやけど。」


そこには

平然を装っているつもりなのだろうが


耳だけ赤く染まった葵君が居た。