______チュッ


雫の落ちたような小さなリップ音が響き

うちの唇に 葵君のぽてっとした唇が






……落ちてくるわけもなく

その葵君の、その色っぽい唇は




うちのおでこに、熱を残して離れていった。





「冗談、冗談。先輩、真っ赤になってるで…?」




ニタッと意地悪な笑顔でつぶやく葵君は


うちより背が高いせいもあってか




とても大人っぽく見えた。