よしっ、と思い立ったらすぐ行動!がモットーのうちは運良く昼休みだったのともあり、葵君の教室まで急いだ。


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二年生の階まで来たはいいけど…


「キャーッ!蘭先輩だ~…!」
「やっぱ、間近で見ると可愛いわぁ~」「俺、サイン貰おうかな。」



なぜか、葵君ファン以外の二年生からは、絶大な人気を誇っているうちが
二年生の階を歩けば、それはそれは
黄色い声の嵐。


嬉しいことなんだけど、目立って葵君に会いに来たことが葵君ファンの子達にバレるとめんどうなんだよなぁ…。




黄色い声をくぐり抜け、葵君の教室の入り口に着いた。

教室内を見回すと、窓際の一番後ろの席で、友達と楽しそうに雑談する葵君の姿が。

その姿を確認して、うちは近くにいた葵君のクラスメートに葵君を呼んでもらえるようお願いした。




「なんやなんや蘭ちゃ~ん。珍しいなぁ、二年生の教室に来るやなんて。」


そういいながら、走ってうちが居る入り口まで来た葵君。



「いや、そういえば 体育祭で撮った写真を現像してなかったし、そろそろ記事も作り出さなきゃいけないから、今日から部活再開しようと思って。」

「あぁ、そういえばそうやな。…おっしゃ!じゃあ、また放課後部室でいいんやんな?」

「うん!」

「ほな…また後でな。」



そう言って、うちの頭をクシャッとしてからまた自分の席に戻って友達と雑談しだした葵君。




……だから、そんなことしちゃダメだって…。その仕草、笑顔にやられたうち。ドキドキする心臓は収まることを知らずに、ひたすらスピードは上がるだけだった。