早速西川さんが料理を作り始め、
良い匂いの中で、俺は千春ちゃんに勉強を教えていた。
西川さんに教わろうとしていたらしいが、
せめてものお礼にと、申し出た所、
予想以上に嬉しそうに
「お願いします」
そう言われ、もう、もう、何これ天国?
さっき、友達だと紹介されたけど、
まったく覚えが無い事とか、全部忘れる位
その辺もあれだ、
ゲームの進行上の都合だろうし。
ヒロインが複数いるんだったら、
一々出会ってたら長くなるしね!
そんな事を考えつつも、
無事に千春ちゃんの宿題は終わった。
「ありがとうございました。
松浦さんって、教え方お上手ですね」
ふわりと笑ってそんな事を言われるなんて。
「いやいやいや、全然そんな事無いよ!
千春ちゃんの理解力が凄いんだって!」
そう返すと、彼女はニコリと笑った。
そういう表情をしていると、
西川さんと似ているかもしれない。
……西川さんの笑顔は知らないけれど。
「謙遜ならさないでください。
……でも、そういう所、素敵です」
少し照れたような、
頬を赤くした笑顔でそう言われた。
……あなたの笑顔が素敵です!