歩は黙り込み、スカートのポケットからハンカチを出して私の手首に当てた。

「・・・ごめん。」

 小さく、震えたような声だった。

「・・・本当にごめん。」

 なんて言えばいいかわからず、返事はしなかった。それに、さっきみたいに演技かも知れない。

 第一簡単に許せるようなことを、この子たちはしてない。