私たちは、もう元の関係には戻れない。

 たったあれだけのことが原因で。

 姫佳が嫌いだからなんだっていうの?私はただほんの少し話しただけなのに。それだけで、こんなにも崩れるの・・・。

 昨日の傷を、ゆっくり触りながら瘡蓋の感触を手に刻み付ける。

 こんなことをずっと繰り返していくの?

 そう思うと、ぞっとした。