どうして、何も言えなかったんだろう。今まで何でも姫佳に言えていたのに。 涙が溢れるのを止めることが出来なかった。廊下を走り、あまり使われない校舎のトイレに駆け込んだ。 誰も居ないのを確認して、私は声をあげて泣いた。悲しくて、悔しくて、情けなくて、憎くて、辛くて、様々な感情の入り混じった涙を流した。