保健室を出て、のろのろと教室へ向かう。

 姫佳の近くには近寄りたくない。……が、姫佳の席は真ん中の後ろの方。私の鞄は後ろのロッカーにあるため、近寄らないわけにはいかない。

 考えただけで、胃がきりきりと痛む。

「はぁ」

 小さくため息をつきながら、少しずつ教室へと向かう。

 出来ることなら、教室に誰も居ないことを祈って。