「どうする?今日はもう帰る?」 私は黙ったまま、ただ静かに頷いた。 「じゃあ、西野さんの家に連絡してくるわ。家に誰かいる?」 「多分母がいます。」 そう言うと、「待っててね」と言いながら、保健室を出て行った。 家に帰れる、そう思うだけで気持ちが楽になった。 もしトイレにいる間、誰も来なかったら、私は未だにトイレで嗚咽をあげていたのだろうか。