恐怖。さっきの出来事で私は姫佳に恐怖を抱いた。紙屑を投げる取り巻きを見ながら、クスクスと笑う姫佳。狂ってる。

 少し前に「姫佳の機嫌損ねない方がいいよ」と誰かが言っていたのを思い出した。
 天井を見ながら私は失笑した。

「本当損ねない方がよかった。」

 力無く一人呟いた。

 速まっていた鼓動は、少し落ち着いた。