「保健室ついたから、私はこれで。」

 私の横を、柚木さんは目も合わせずに通り過ぎた。

 今日、私になにが起きたの……


 胸が締め付けられる。何も思い出したくないし、何も考えたくない。

 我慢していた糸が切れたのか、大粒の涙が無意識に溢れてくる。

 このままここで泣くわけにはいけないと思い、トイレへと駆け込んだ。