「私さ、村上のこと、一年生の時から大っ嫌いなんだぁ。その村上と喋ってるあんた見た時、嫌悪感抱いたんだよねぇ。し・か・も・村上の消しゴムのカス拾ってるの見て、虫ずが走っちゃったー。」

 悪気なく話す姫佳に、私は恐怖を感じた。
 たったそれだけで?

「私が村上嫌いなの知らなかった?」

 こくこくっと小さく頷いた。

「そうなんだー。でも許してあーげないっ。」

 無邪気に姫佳は笑顔で言った。