ベッドの枕元に置いてあった携帯を手に取った。冷たい。こんなに憂鬱な気持ちで携帯を手にするのは、きっと初めて。

 それでも携帯は大事にしていたから、手放したくはない。嫌なことがあると分かっていても。

 深呼吸して、気持ちを落ち着かせながら携帯に目を向けた。

「・・・っ」

 みたことのない知らないメールアドレスがまたいっぱいあった。内容に目を通すこともなく、私は迷わず消去した。もし見たっていいことなんてない。

 そんな知らないメールの中に登録済みのメールが2件あった。

 1件は歩。