重たく、冷たい鎧を手に取った。可愛いと思っていたこの制服すら、今はもう何とも思わない。むしろ着なくてはいけないと思うと、憂鬱になるほどだった。

 なんとかして休みたくてたまらない。

 仮病でも使って休めるのなら、休みたい。でも、逃げたら逃げ続けなくちゃいけない。きっと私にはそんなこと・・・、出来ない。

「・・・はぁ」

 深い深いため息だった。

「朱莉ーっ、何してるのー?早く学校行きなさい」

 部屋の外からお母さんの声が聞こえた。

「はーい」

 行きたくない。いじめに立ち向かう勇気なんてない。でも、それでも行くしかない。