「ん?どうしたの?」

「ううん。じゃあ戻ろうかな」

 姫佳も待ってる。そう言われて、さっきのは一時的なものだったのかと思った。

 間違いだったんだ、もう怒ってないんだ、と思い、教室に戻ることにした。

「先生いないけど、勝手に出ても大丈夫だよね」

 久美はきょろきょろしながら言った。

「いいんじゃない?行こう行こう」

 そう言いながら、半ば強引に私の手をひいて、保健室を出た。

「次の授業終わったら、給食だね。あー、お腹すいた」

 久美はお腹をさすりながら、給食何かなぁと一人で呟いていた。

 教室が近くになるにつれて、鼓動が高くなるのを感じた。