「ねぇねぇ、君、何ちゃんって言うの?」

 上級生が聞いてきた。

「西野朱莉です」

「朱莉ちゃんね、ここ座りなよー、体調悪いんでしょ?顔色悪いよ」

 そう言われ、私は長椅子の端に座った。

「元基がびっくりさせてごめんねぇ。あっ、私優奈だよ。こっちが達矢(タツヤ)であっちが早百合(サユリ)。であそこで阿呆みたいに騒いでるのが元基ね」

「はぁ」

 なんて答えていいかわからず、小さく頷いた。

「体調大丈夫?」

 優奈先輩が近くに立ち、頭を撫でながら聞いてきた。

「あっ、はい」

「先生もうすぐ終わるだろうから、ゆっくりしてなね。うちら居たらゆっくり出来ないだろうし、外行くわ。またね」

 そういって優奈先輩は早百合先輩たちと一緒に出て行った。