二人のやり取りを見ているだけで精一杯だった。私は会話に入れない。やっぱり私は一人なんだ・・・。そんな卑屈な考えをする自分に苛々した。すべてが嫌になる。早く、一刻も早く家に帰りたい。

 苦痛に滲んだ顔をしているのが自分で分かった。ばれないように顔を掻くふりして、顔を隠した。

 カタッと音がして顔をあげると「失礼します」と言いながら、お母さんが入ってきた。

「お母さん。」

「大丈夫なの?」

「うん。」

 心配かけてごめんなさい。