「ごめん、ごめん。俺ちょっと一服してくるわ。」

 元基先輩はそう言いながら保健室を出ようとしていた。

「こらっ、未成年はタバコ吸うなって何回言も言ったでしょっ。」

「やっべ、今普通に言っちゃった。朱莉ちゃんまたね。」

「こらーっ。」

 つかまらないようにすぐさま元基先輩は走って出て行った。

「全く、もう。」

 ため息混じりに先生は言った。

「まぁまぁ、あとで捕獲してくるから。」

 優奈先輩がなだめていた。学校でタバコを吸うなんて、正直びっくりした。