「あっ。」

 なにも入ってなかった。家から持ってきた状態のままだった。

「ん?」

「いえ、私のです。ありがとうございました。」

「いいよいいよ、こいつどんどん使ってやって。」

 元基先輩が答える前に、優奈先輩が笑いながら答えた。

「おいおい、優奈それひでぇ。」

 元基先輩は苦笑いしていた。

「こら、ここ保健室。病人用の場所なんだから、うるさくするなら追い出すっていつも言ってるでしょ。」

 先生は先輩たちに少し強い口調で言っていた。