「はい、だいぶ落ち着きました。」

 嘘。本当は頭がうまく回らないほど動揺している。言葉を発することすらしたくない。

「無理しちゃだめだよ。」

 にっこりと笑う優奈先輩の優しさが温かかった。

「・・・はい。」

 これ以上お互い何も話さないまま、先生と元基先輩が戻ってくるのを静かに待った。

 少しして先生が戻ってきた。

「お待たせ。お母さんすぐ来るって言ってたから、20分もあれば来るんじゃないかな。」

「そうですか。」

 よかった。ここから離れられる。