「先生お客さん来たでー」

 そう言いながら先輩たちは、ベッドの方へと声をかけた。

 先生はシーツを直していたようで、間仕切りの裏から顔を出した。

「ちょっとそこに座って、待っててくれるー?ほら、あんたたち帰りな。というか、教室行きなさい」

 先生は先輩たちに手でしっしっとした。

「うっわ、先生めっちゃひどくない?ねぇ、そう思うよね?」

 そう言いながら私の方にいきなり向いた。急に話しを振られたため、びくっとした。

「ちょっと、元基(モトキ)が話しかけてびびっちゃってんじゃん。ごめんねぇ、変な奴で」

 そう言いながら、話しを振ってきた元基という人の頭を、女の人は叩いた。

「ちょ、優奈(ユウナ)、いたっ、痛い、先生俺暴力受けてる、助けて。暴力反対」

 騒ぐ元基先輩をよそに、周りにいた上級生たちは笑っていた。