急に涙声で歩は話し出す。

「さっき反対の立場になってって言われて、はっとしたの。私が反対の立場だったらきっと学校になんて来れないから・・・。」

 休めるなら休みたかった。頑張って反論したって、結局一笑されて終わった。

「とにかく、保健室にでも行って帰れるようにしたほうがいい。久美も朱莉を探してるから、今見つかったら面倒なことになる。早くっ。」

 私の背中を押すように、歩は急かす。

「メールする。だから死なないで、そんなこと考えないで。」

 懇願する歩を見て、あぁ、殺人犯になりたくないんだって思った。