俺に今まで、本性を暴けないヤツなんていなかった。



それが俺の自慢。
なのに…ヤツの手の上で転がされてるような毎日に、息が詰まった。


このまま警察に密告してもいいが…
当然、会社社長の杏里だって事情聴取は受ける。



もともと祖父の美術品を相続したのは杏里だ。
これだけ、悪知恵の冴えた叔父様だ…
杏里に罪を着せるのは簡単なコトだ。


「!?」



俺のケータイに杏里から電話。



「どうした?」


ーーー私の親友に会ってもらえませんか?


「!?」