親指で私の唇をなぜる
ゆっくりといやらしく

悲しい瞳で





「……譲りたくなかった。」



「ゴローちゃん…。」





怖い。だなんて思う私は最低なんだろうか。

今すぐこの手を払い
立ち去りたい。






「ごめん、 」



触れていた手を離し
ポンっと頭に大きい手が乗った。