「嬉しいのよ、」 コーヒーの香ばしい香りが鼻に掛かる。 「あなたの絵は変わっていなかった。それって、やっぱり素敵よ?」 「…そうですか。」 ニコニコとご機嫌にマグカップを渡され、ペコッと頭を下げた。 少し、熱い。夏なのに先生は温かいコーヒーを容れた。 「どっちの絵を描くの?」