すごく暖かくて


心地よく


あたしはまた


眠りについていた



ふと気がつくと直はいなかった



「なおぉー


どこー?」


不安になる


直まであたしの前から消えてしまうの?


さっきの暖かさは幻覚だったの?



視界が霞む


泣いたってなんにもなんにもなんない


虚しくなるだけ


だから泣きたくない


けど


止まらない



「関島なら遅いから帰ったよ」


今声したよね?


もしかして……


幽霊?!


けどこの声はあたしが大好きな声




「先生?」


声がしたほうに振り返る


すると優しく微笑んだ先生がいる


「もう遅いから俺がもう一回保健室に顔出したんだ


そしたら二人とも寝てて


関島はすぐに起きたのにお前は全然起きない


しかたなく関島には一人で帰ってもらった」


そっか……


二人して寝たのか……


まって

まって

まって



「先生!!


って事は今何時?」


外はもう真っ暗だ…………



「9時前」


終わった


2日もお母さんに会ってないのは今までにない



もしかしたらまた殴られるかも……


そんな不安を悟ったのか先生が慌てて


「玉木のかーちゃんには電話入れといたから


今日は体調が悪くて保健室に寝てから帰すって」



ヤバイ……


めんどい事になりそう



早く帰んなきゃ!!


「じゃあたし帰ります


さようなら」


あたしが出て行こうとしたら慌ててあたしの腕を掴んだ


「送る


荷物持って教員の車が置いてある所に来て」