この人は、私の心臓を止めるのが世界一上手いと思う。


呆れてる紗羅ちゃん。

面白そうな赤池。

平然とした空野くん。


空いた口が塞がらない、私。




この光景は端から見たら、美術部員がただの楽しいお喋りをしてる……ように見えてるのかな。




「だって緑さん、俺には全然心開いてないからさ」

「へ」

「さっきなんて、俺って事、メガネ付けるまで気付いてくれなかったし」

「そらのくん」

「智に俺と緑さんが仲良いのを見せつけたかったのに」

「ごめん状況が……」



「俺の方が緑さんの事、ずっと見てきたのに。」