少しの沈黙

でもそれは、気まずいものではなくて、自然な沈黙

風を感じる

優しく私を撫でる、風

今は夏だというのに、今日の風は清々しい


「...ねえ」


「ぇっ!?」


ぴくりと肩が跳ねる


「オレ、望月和也」


突然の自己紹介に一瞬たじろぎ、私も同じように自己紹介する


「私、清水雪乃。よろしくね」


すると、彼の細いしなやかな腕がこちらへ伸びる


「よろしく」


私はその手を取ろうか一瞬迷ったけれど、彼が微笑んでいるのが見えて、私はすぐさまその手を取った