「あ、あのお姉ちゃんあたし着替えて……」
「そんなの後でいいから!ほら座って!」
あたしの手を取って強引にベッドに座らせると、お姉ちゃんはあたしの横に座った。
「ねえ、さっきの子って梨子の彼氏なの!?」
いったい何の事なのか、興味津々と言う風に聞いてきた。
か、れ……彼氏ってなに?
当然なにを言われてるのか分からないあたしはクエスチョンマークだけが浮かぶ。
「もー!梨子男の子と一緒に帰って来たでしょ?窓から見えてたんだからねー」
なに惚けてるのー!なんて付け足しながら言ったお姉ちゃんの言葉に、桜井くんのことを聞かれてるんだと分かった。
でも、お姉ちゃん……勘違いしてるよ。
「あのね?お姉ちゃん桜井くんは彼氏じゃないよ」
あたしはそう言った。だって違うんだから。