2010年、夏。
秋元美和、高校2年生。あたしは、冬から付き合っている梅沢しげるとラブホテルにいた。



…付き合っていた、が正しい。



高校中退、鳶職をしているしげるは誰が見てもただのヤンキー。
なんでこんな男を好きになったろう。
会うたび殴られ、手首をカッターできられ、火のついた煙草を当てられ…。



今はしげるに対し、好きという感情は全くなく、ただ…別れ話をすれば首をしめられたり強引に性行為をされるだけで、簡単には別れられなかった…。



「なぁ~シようや~。おまえは立派な性欲処理器やもんな」

「やめてやっ」



服をつかまれ、あたしはその手をつかみキッと睨み付ける。



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