「紗雪ちゃんー?俺は男です。可愛いって言われて喜べません」

「そおっかー、まっいいや。帰る。」

「うわっ、まっいいんだ!?…送って行きます」

「いや、いいよ」

「夜遅くだし、彼女を1人で帰す訳には行きません」

「…ありがとう」

2人は手を繋いで谷川家目指して歩き出す。


「勇太…?」

「なんですかー?」

「何があったか聞かないのか?」

「んー、なんとなくわかったんですけど、言いたくないんです。夢であって欲しい。言ってしまうと現実だと認めざる得ないじゃないですか」

「勇太っ…ぅぁ…」

勇太は泣きそうな紗雪の目もとに口付けする。