俺は感謝された。  

感謝されることも悪くない、と 

俺はうぬぼれていたのかもしれない。



あの日、どうして彼女よりも自分の力を選んでしまったのか。 

悔やんでも悔やみきれない。



ーーーそう、あの日 

もう二度と彼女は戻ってこない。  

分かってる。  

分かっているのに、 

脳裏にあの光景がうかぶたびに 

俺は涙が出る。