今考えると、あの決断は彼女が俺に与えてくれた運命だったのではないか  と思う。    





だって彼女が目の前の人々を見殺しにするわけないから・・・


俺はそれで十分だ。  


本当は分かっていた。  

いつかは立ち直らなければいけないこと。
こんな風に落ち込んだままじゃいけないこと。



そして俺は彼女の思い出をそっと胸にしまった。
彼女の笑顔は俺の心の中で生きている。  


上を向こう。

俺はこうして一歩を踏み出すことができた。



ふと、耳元で聞こえた気がした。
 






「今までありがとう。 

 私は大丈夫だから。」                 



ーEND-