「っきゃぁ!!寝過ごしたっ!!」

目覚ましの針は確かに6:30をさして止まっている。

…無意識で止めてたのかも。

今の時刻は7時35分。

急いで髪を巻いてちゃちゃっとメイクして…

「うーん、ちょっと髪が決まんないけど、しょうがない!!いってきます!!」

「ちょっと加奈美!!朝ごはんは!?」

ママがリビングから叫んでる。

「ごめんママ!!今日入学式だから急がなきゃ!!だから朝ごはんいいや。いってきます!!」

あたしはそういい残して
家を飛び出した。

今日は待ちに待った高校の入学式。

バカなあたしだけど、どうしてもこの高校がよくて頑張って勉強してみごと受かった。

この制服を着てる自分が少し、誇らしい。

これから始まる高校生活を楽しみにしていた。

なのに、初日から寝坊とは。

ついてない。

あたしの通う学校、聖蘭高校はあたしの家から徒歩15分ほど。

今は7時50分。
8時5分まで登校時間だからどうかんがえても間に合わない。

あたしは聖蘭高校に向けて走り出した。