むかしむかし人の来ない村がありました。
そこにはひとつの大きなお城があって
村の家々はそのお城を囲うように
たっていました。




そのお城に住んでいるのは
自分勝手な王様と王様に仕える召使達です。




ある日お城に1人のミスボラシイ老婆が
たずねてきました。
老婆は王様に言いました。




「一晩でいいのです。私を泊めてくれませんか?」




そういいながら老婆はお金の代わりといって
一厘のバラを王様に渡そうとしました。



けれど、王様は老婆を見て
蔑む様に笑うと




「お前なんかが泊まる部屋などない。」




そういって扉を閉めようとすると
ミスボラシイ老婆の姿がみるみる内に
美しい魔女に変わっていきました。



「お前は人の外見だけを見て中身を見ようともしない。
ずっと1人の孤独を味わうといい」



魔女は王様を醜い野獣の姿に変えてしまいました。
野獣になった王様は泣いて必死に魔女に謝りましたが
魔女は聞こうとしませんでした。



魔女は美しかったお城も召使いたちも
次々に食器や家具に変えてしまいました。