私の視線に気付いた神崎陸は、目が合うとさっとそらす。




照れてるのかな。




次の休み時間に、筆箱の中にまた手紙が入っていた。


『次の休み時間屋上に来てください』と書かれたノートの切れ端を見つめる。




またいたずら?


だとしたら、誰?



それとも、今度はいたずらじゃないの?




もしかして、今度こそ神崎陸?





でも、そんなことするわけがないよね。


きっと、またいたずらなんだと自分に言い聞かせる。


落ち込む私は、さっきの神崎陸のかすかな匂いを思い出す。




手紙のことを忘れる為に、その休み時間は涼子と中庭でうさぎを見て過ごした。



今日の出来事を話すと涼子は興奮気味に私の顔を覗きこむ。


「え?え?ぎゅって?抱きしめられたの?うっそ~~!それってどういう意味?」



私の手を握ってブンブン振り回す。


涼子の大声にびっくりして、うさぎ達も走り回る。



「私にもわかんないよ~。でも、すごく嬉しかった。かっこよかった。いい匂いしたんだぁ。」