どうして…?



どうして、抱きしめてくれたの?



「ほんとごめんな。みんな悪気あったわけじゃないから許してやって…」



抱きしめたまま、私の背中を優しく撫でた。


そして…頬に流れる私の涙を

神崎陸の指でぬぐってくれて…




キュン


キュン


やばい…




「あ・・ここ女子便だったっけ?やべっ!!」



照れ隠しなのか、天然なのか、彼は突然走り去った。



どうして、そんなことするの?


高校生の神崎陸の腕に抱かれて、私すごくドキドキした。



大人だなって思った。

神崎陸の顔、すごく近くにあったのに見ることができなかった。



年下だけど私よりずっと大人に見えた。


さらっとあんなことできちゃう神崎陸。


神崎陸の腕の中、ドキドキしたけど、すご~く安心したんだ。


ずっとその腕の中にいたいと、心から思ったんだ。