あ~あ。

やっぱりいたずらか。



ガッカリしたようなホッとしたような不思議な気持ちだった。




数名の男子が『やばい!』って顔して私を見る。


動くことのできないまま、私の視線を受けた男子。



私は、責めるつもりも、怒るつもりもない。



転校生や、新任の先生はこうして、いろんな洗礼を受けて、その場所に馴染んでいくんだ。



無視されるよりは、嬉しい歓迎の仕方だとも思った。




その時、目に映ったのは、信じたくない事実。




一瞬、目の前が真っ暗になり、悲しみが押し寄せる。




そこに、神崎陸の姿があった。