やっぱり、さっきの手紙、
神崎陸から?
私の頭の中には、照れた顔をした神崎陸が浮かんでいた。
勝手に膨らむ妄想を止める為に、必死でノートを書き写す。
1時間目の終わりのチャイムがなる。
神崎陸の席を見た。
全開の窓から、さわやかな風が吹き込む。
風になびく神崎陸の茶色い髪。
龍之介が大声で呼ぶ。
「お~い、陸。今からおもしろいことあるからちょっと行こうぜ!」
龍之介の声に、神崎陸は右手で答える。
やっぱ、神崎陸からの手紙じゃないよね…
でも、屋上に行かない理由が見つからなかった。
少しの期待と不安。
自分の行動を正当化する為に、いろんなこと考える。
もしかしたら、いじめに悩む生徒からの相談かも知れない…なんて。
本当は頭の中、アイツの姿想像してる。
馬鹿だってわかってるけど、
恋をするって馬鹿になるってことなんだよね。