「本当のこと、話すね。…何度もあきらめようって思ったけどダメだった。先生失格だね。ごめんね、本当のこと言えなくて…」
目をそらすことができないほど、レナの目が真剣だった。
レナは本気で陸を好きなんだと伝わってくる。
レナの座っていた席が陸の席だったことに、今になって気付いた。
正直に話すことが、レナにとって嬉しいことなのかどうかはわからない。
明日からの学校生活、私はどうなるのか、その時は考えていなかった。
また無視されたり、噂を流されたりする可能性もあったのに、私の心は話したことで軽くなっていた。