いつも通りの陸。


でもいつものように、風のように自転車の乗って私の横をすり抜けていかない。



ゆっくりと自転車を押しながら登校した。



2人で登校するなんて初めて…だよね。



自転車を押す陸の腕に絡みつくレナは、甲高い声で笑う。



完全勝利って顔して、私を見た。



「おはよ~!せんせ~。昨日はごめんね。」



白々しく声をかけてきた。


無理して、頑張って、なんとか笑顔を作ろうとしたけれど、難しかった。



もう、レナのことを信じられなくなっている私はレナの目を真っ直ぐに見ることができなかった。



全く無視の陸の横顔に、私の胸が痛む。




演技だって言ったよね。



これも、演技?

これは、また別?